研究成果

[2011年11月1日]
カナディアン・メープルニュース Vol.3
~メープルシロップに肝機能保護効果~
2011年11月1日~30日 食と旅のフーディーズTVにて放映

ケベック・メープル製品生産者協会は、東京大学大学院農学生命科学研究科の阿部啓子名誉教授に依頼しているニュートリゲノミクス(遺伝子発現解析)によるメープルシロップの健康機能性を評価する研究で、メープルシロップに肝機能保護効果があることを確認し、去る2011年9月12日に、この新たな発見を発表するセミナー「Maple seminar カナダ産メープルの機能性」を開催いたしました。

 

このセミナーの模様を、食と旅のフーディーズTVにて11月1日~30日、20回にわたり3分間のCMとして放映いたします。本番組では、研究の成果を阿部教授や管理栄養士の安中千絵氏のインタビューなどを交えて、分かりやすく解説しています。

 

メープルシロップを実際に摂取することで得られる健康効果を初めて示す今回の研究成果は、今後の詳細なメカニズム解明に大きな手がかりとなることが期待されています。ぜひご覧ください。

 

視聴方法

食と旅のフーディーズTVは

スカイパーフェクTV!(SKY PerfecTV!)Ch.281

・お近くのケーブルテレビ局(一部の局を除く)

・MOVIE SPLASH、ひかりTV、BBTVなどでご覧頂けます。

詳細につきましてはフーディーズTVウェブサイトをご覧ください。

ケベック・メープル製品生産者協会の研究について

東京大学大学院における研究は、ケベック・メープル製品生産者協会、カナダ農務・農産食品省およびケベック農業開発評議会からの財政援助によるものです。ケベック農業開発評議会(CDAQ)からの資金は、カナダ農務・農産食品省のカナダ農務・農産食品推進プログラム(ACAAF)から援助を受けています。カナダ農務・農産食品省は、“Growing Canadian Agri-Innovations”プログラムを通じて、カナダ産メープルシロップの研究への財政支援を実現しています

[2011年9月12日]
東京大学大学院の研究でメープルの健康機能性が初めて明らかに
メープルシロップに肝機能保護効果
−メタボリック症候群や生活習慣病の予防に期待

ケベック・メープル製品生産者協会(カナダ、ケベック州)は、東京大学大学院農学生命科学研究科の阿部啓子名誉教授に依頼しているニュートリゲノミクス(遺伝子発現解析)*によるメープルシロップの健康機能性を評価する研究で、メープルシロップに肝機能保護効果があることを確認いたしました。今回の試験結果は、メープルシロップの摂取による健康機能を初めて示すもので、今後の詳細なメカニズム解明への大きな手がかりとなるものです。この結果は、11月以降「Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry」に掲載されます。



今回の試験は、メープルシロップを摂取した際、身体にどのような健康効果を及ぼすかを動物実験で調べるパイロットスタディー(試験的研究)として行われました。濃度20%のメープルシロップを含む餌と、同じ濃度の砂糖水溶液を含む餌を11日間ラットに投与し、生理・生化学データ解析(血中成分解析)と遺伝子発現解析の両方において評価しました。まず、両群の血中成分を解析したところ、メープルシロップ食を与えた群では、砂糖水溶液食を与えた群に比べて、肝機能障害の程度を評価するバイオマーカである血清酵素AST、ALT、LDHの活性が有意に減少しました。次に、肝臓の遺伝子発現解析を行ったところ、同じくメープルシロップ食群で、アンモニアを生成するアミノ酸代謝系酵素関連の遺伝子に不活性化が見られました。


AST、ALT、LDH値低下という血中成分解析の結果より、メープルシロップには有意に肝機能保護効果**があることが明らかになりました。これらASTやLDH値低下の理由のひとつとして、メープルシロップがアミノ酸代謝に関わる遺伝子を減少させることにより、臓器に障害を与えるアンモニア生成を抑制していることが、遺伝子発現解析により推定されます。


ケベック・メープル製品生産者協会は、阿部教授による研究の結果を非常に重要であるととらえています。当協会会長セルジュ・ボリューは、次のように述べています。「当協会では、カナダ産メープルを研究する国際的なネットワークを構築し、様々な分野の第一人者とともに研究を進めています。最近では、米国ロードアイランド大学との研究により、メープルシロップに、特有のポリフェノール5種類を含む50種類以上のポリフェノールや、2型糖尿病予防に関わる成分が含まれることが確認されました。阿部教授の研究は、これらの成分を含むメープルシロップを摂取した際、どのような健康機能があるか、特に生活習慣病に対してどのような効果をもたらすかを解明することを目的としています。今後も引き続き、阿部教授の研究チームによるニュートリゲノミクス解析を続けてまいります。」


阿部先生のコメント:FPAQと進めるこのプロジェクトの最終ゴールは、メープルシロップがどのような生活習慣病のリスクをどの程度に軽減するかを明らかにすることです。その手がかりのひとつが、今回の遺伝子発現解析で見えてきました。現代人にとって負担がかかりやすく、生活習慣病と密接に関わる肝臓を保護する効果です。同時に、他の可能性も候補として挙がってきており、今後の詳細解明が期待できる結果となりました。今回の実験によって、メープルが持つ健康機能の可能性が具体的に広がったと言えるでしょう。

*ニュートリゲノミクスとは

食品の安全性と機能性を、遺伝子発現分析を利用して解析する学問です。特定の食品成分を摂取した際に動物の各組織がどの様に応答するかを解析し、食品生体作用のメカニズムを解明します。食品科学を飛躍的に発展させるものとして注目されています。

**肝機能保護効果について

肝臓疾患や肝機能異常は、糖尿病などあらゆる生活習慣病やメタボリック症候群に密接に関わっていることがわかっています。また、老化を引き起こす大きな要因のひとつは、肝機能低下であるとも言われています。タバコ、お酒、高脂肪食、ストレスなど臓器を傷つける活性酸素を増加させる要因が多い現代人は、肝機能が低下しやすい環境にあると言えます。メタボリック症候群や生活習慣病の予防には、日々の食生活が重要な鍵となります。肝機能保護効果のある食品を継続的に取り入れることが予防の助けになると期待できます。



ケベック・メープル製品生産者協会の研究について
東京大学大学院における研究は、ケベック・メープル製品生産者協会、カナダ農務・農産食品省およびケベック農業開発評議会からの財政援助によるものです。ケベック農業開発評議会(CDAQ)からの資金は、カナダ農務・農産食品省のカナダ農務・農産食品推進プログラム(ACAAF)から援助を受けています。カナダ農務・農産食品省は、“Growing Canadian Agri-Innovations”プログラムを通じて、カナダ産メープルシロップの研究への財政支援を実現しています。


プレスリリース別添資料

メープルシロップとは
メープルシロップの栄養価
FPAQによるメープルシロップの研究


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